furukawa rikka ライナーノーツ

furukawa rikkaのライナーノーツです。

Yozora no melodyについて、ライナーノーツを。

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Yozora no melody


突然だが、あなたはライナーノーツという言葉を知っているだろうか?
むかしむかし音楽がまだ輪郭を持ち、
CDなどパッケージとして売られていた太古の時代に
CDには小冊子が付属していたらしい。


そしてそこには関係者の解説などが書かれていたという。
その解説のことをライナーノーツおよびライナーノートという。


私はレトロなものが好きだ。
視覚芸術ならドット絵が好きだし、
聴覚芸術ならチップチューンが好きだ。
そんなレトロ好きな私はある日、ライナーノーツの存在を知った。
一体どんなものなのだろう?そこでCDを買ってみることにした。


音楽はネットでプロモーション動画がアップされているから
一部かもしれないが無料で聴けるし、
欲しくなったら聴き放題のサブスクリプションに契約すればいい。
じゃあCDを買うってどんな感情なんだろう。音楽を所持する喜び??


芸術を所持する喜びは私も一応はわかる。
好きなアーティストやアニメのグッズを欲しいなと思うことはある。
でもそれはあくまで視覚芸術。音楽を所持するってなんだろう…。
よくわからない。音楽には輪郭がない。
でも昔はCD?MD?カセットテープ?レコード?とかを
人々は買い集めていたんだよね?不思議なものだ。


そこで音楽を所持するということを体験してみたく、
通販でCDアルバムを買ってみることにした。
購入したCDはゲームのサントラ。
もちろんスマートフォンでもう聴き尽くしたやつなんだけども。


すぐにCDは届いた。封を開けて最初に思ったことは
CDって思ってたより大きなってこと。
手のひらサイズ以上あるぞ…。こんなに大きかったらかさ張りそう。
音質が違うのかな?って思って、CDを聞こうかと思ったが
ノートパソコンにCD・DVDドライブってついてないよね?
どうすればいいんだろう…?
Googleで検索したらレコードプレイヤーとかいうものがあるらしい。
でもわざわざそれを買うのもなぁと思い、CD試聴は一旦保留で。


そしてケースの中にありました!小冊子!?
アートワークが印刷された小さい冊子で、制作スタッフの名前とか
曲名一覧が載っている。
曲名一覧を何故載せているんだろうとか思いながら、
ページをめくると遂にライナーノーツを発見した。
作曲者がこの楽曲を作った時にどういう気持ちだったかとか、
他のスタッフとのやりとりなどの裏話など。
自分が好きな作品の秘密を知れた気分になって少し嬉しくなった。


ああ、ライナーノーツとはこういうものなのか。
今だと音楽サイトでのインタビュー記事みたいなものだろうか。
でも決定的に違う部分があり、インタビューというのは
インタビューアーがいろいろ質問し、
それにアーティストが答える形式だが
このライナーノーツは1人語りだった。
深夜ラジオでラジオDJが1人で自由にフリートークしている感じ。
なんだか、その混じりっ気なしの純度100%みたいな感じが
とても新鮮に感じた。
やっぱり好きなものの秘密を知れるのはとても楽しいことだ。


そこで私の音楽のファンがいるのかどうかわからないけれど、
私もアーティストぶってライナーノーツを書いてみることにする。
CDを出す予定はないので、小冊子は当然用意がない。
だからネット上のブログみたいな感じで投稿することにした。


2021年01月に私(古川六花)の最初の作品となる
「Yozora no melody」をリリースした。
https://www.youtube.com/watch?v=B8tmYhGBZGA


当初の名前は「夜空のメロディー」だったが
後述する理由(世界中から私のファンを集める)により
アルファベット表記に変えた。
そのせいで一部からは
「夜空Noメロディー」=「夜空にメロディーはない」
なんて揶揄されたが…
真空では音が聞こえないはずだから、
夜空も宇宙もメロディーはないのかもと考えながら…、
海外の人に明らかに誤解されそうだなと少し心配している。


本楽曲の制作当初、私はとても疲れ切っていた。
自分の音楽で有名になりたいとか、売れたいとか考えていて、
色んな人の言いなりになりながら
作曲ソフトと向き合っていたように思う。


音楽は作れば作るほど偉人の作品の凄さがわかってくるし、
私が良いと思ったものを他人には理解されない辛さもあるし、
多くの人にとって音楽は
優先度の低い付属品扱いされていたことも悲しかった。
音楽が音楽単体で成立することはなかなか難しく、
映画やアニメ・ゲームなどの映像作品の一部としての音楽だったり、
アーティストの曲であっても音楽の力も当然あるが
アーティストのブランド力も大きい。


音楽は色々な場所で必要とされるが、
音楽がメインじゃなくなるほどに
全体を統括している人にとって音の優先度は低くなってしまう。
作り手は音楽が大好きだからこそ
音のことを一番大切に考えているんだけど。

 

そういう色々な思いで苦しみ、結局曲を作りたいと思っても
うまく完成させることが出来なくなってしまった。
それから「もともと自分は何が作りたかったんだろう?」って
考えるようになった。
私は「自由に何を作ってもいいよ」と言われたら何を作るんだろうか?
パッと答えは浮かばなかった。


そんなある日「怪盗セイントテール」という
昔流行ったらしいアニメを見ていて
”これ”が作りたいなと思った。

(非常に古いためか動画がほとんど公開されていない。
もっと雰囲気を知りたい時は「時を超えて」という曲が
オープニングなのでそれを聴いてみて欲しい)


ストーリーは怪盗の少女とそれを追う探偵みたいな構図で、
ルパン三世で言うとルパンと銭形警部みたいな感じだろうか。
怪盗と探偵は男女なのでお互いはプライベートで知り合いだけど
怪盗と探偵の関係ではその正体を知らず、恋模様を描くと言う感じ。


ただ私がすごく気に入ったのは、ヨーロッパ風?の街並み、世界観。
魔法/手品がとてもファンタスティックで、
怪盗なので夜のシーンが多く
夜空を駆ける(建物の上をどんどんジャンプしていく感じ)は
すごく爽快で気持ちいい。そして夜の街は静かだ。


これを書いている現在(2021年01月)はコロナウイルスのせいで
緊急事態宣言が発令されているから、夜は静かだ。
(いつの時代にあなたはこれを読んでいるのだろう?)


でも私が住んでいるところは比較的都会で、
夜中でも車は走り、出歩く人も多い。
だから静寂の世界を体験したのは今年になってからである。

夜の街ってこんなに静かなんだ…。
アニメの中で知った世界を後から現実体験するなんて。
風が吹いていて、空は暗く、静寂が包んでいて、月は明るい。
私はこういう音楽を作りたいと思った。


だから曲の冒頭では風が吹き、
夜の街の中にいるそんな雰囲気なんだ。
また怪盗セイントテールの怪盗が魔法/手品で
夜の街を駆け抜けるファンタスティックな感じも
すごく気に入っていて、それも音楽で表現したいと思った。


アニメのオープニングって、
オープニング主題歌+アニメ映像のSEって入ってるよね?
そう!
私の曲でも最初は不思議な魔法のステッキを振るところから始まる。
静かな夜の街で、不思議な魔法のステッキを振る。
このイメージがYozora no melodyの始まりなんだ。


そして夜の街を駆けていく爽快な感じ、それも表現したい。
だからサビを駆け抜けていく爽快な雰囲気を表現した。
実は曲中でも建物の屋上に着地する音やジャンプする音など
私の頭の中にある映像で鳴っている効果音は散りばめてある。


また夜空は輪郭をもたない。無限に広がっている。
星々は見えるけどすごく曖昧な存在なんだ。
たくさんの星があつまって混然一体と夜空を作るように
今回の曲は1音1音をはっきりさせるのではなく、
多くの音が混じり合ってこの曲を作り上げる形にした。


楽曲が出来た後、作詞を始めたんだけど、
この音楽にどんなメッセージを込めるのか悩んだ。
音で表現したい雰囲気は描ききったんだけど、
あまりにも参考にしたアニメに寄せすぎても違うなって思って。


そんな時に私の周りでは歌い手とかの活動をしている方が多くて、
活動に対する想いなんかを耳にしていた。
歌を歌いたいという想いと、
人気が、再生数が、と評価されてしまう環境での悩み。
そういったことを歌として表現できないかな?って思って。
だから歌詞は歌い手さんをテーマにした歌詞にしてある。


プロモーション動画はネットで素敵なドット絵を描いていた
ユキ (@yuki_1231_13)さんの作品を見て感動したので、
歌詞の世界観をお伝えして、
話し合いながら制作していただきました。
とっても素敵な動画ができてファンタスティック!感謝です。


YouTubeは歌詞の英訳や字幕にも対応しているんだけど
それも関係者の方にご協力していただきました本当にありがとう。


多分、私の音楽は万人受けしないと思う。
曲を作ろうとして一生懸命やってみたけど
全然認められなかったからね。
だからみんなに好きになってもらえるような
流行りの音楽を作ろうかと思ったんだけどうまくいかなくて、
結局自分が作りたいものを作ってみるという
原点に立ち返ってしまった。
それが良いか悪いかは別にして。


だから私が良いと思うものを発表して、
この世界に「この曲は良いね」って
分かってもらうしかないかもしれない。
日本に私の曲を好きになる人が1人しかいなくても、
世界には約196くらいの国があるらしい。
1つの国に私の曲をいいなと思ってくれる人が1人いれば、
この星(地球)で約200人は私の音楽聴いて
ファンタスティックになってくれると思いたい。


君に…
この声が届けばいいな